吉本ばななさんの「不思議」に共感。POLAの冊子WEに安らいだ話。

fushigi01不思議

「不思議だな」と思うこと。いろいろありますね。
みなさんは、どんな時、不思議だな、って思いますか?

そう問いかけられると、
即座に出てこないというのもこれまた「不思議」。

POLAから届いたDMの中に、WEとうい冊子がありました。
普段、DMは即ゴミ箱なのだけれど、この冊子は、ピンクからパープルのグラデーションになっている表紙の色が神秘で、その下の部分に控えめな大きさで「FuShiGi(ふしぎ)」という文字がのっていて、とても捲ってみたい気にさせられました。

fushigi02不思議

捲ってみると、表紙の裏には、吉本ばななさんの短い文章が。

もうそれだけで、あぁ、捨てなくてよかった!と思えて、嬉しくなりました。
まだ読んでもいないのに。

詩のような風貌の文字の連なりを見て、柔らかくて緊張のない波動を感じ取れたから。
そして、読んでみると、やっぱり。

ふしぎ
吉本ばなな

もういい歳だから
たまにお母さんに会っても
甘えたりはしません。
何がつらいって話しても、
時代が違いすぎて全然伝わらないし。
でも、どうしてだろう?
まるで一流の板前さんが、
お客さんのようすを見てから
味を決めるというのと同じような感じで、
お母さんはそのときの私に合った
お味噌汁を作ってくれる。
具だくさんがいいとき、白みそがいいとき、
葉っぱが欲しいとき。
みんな伝わってしまう。
味が胸にしみてきて涙がひとつぶ。
それからじわじわと
元気がわいてくる。
「WE (MAR-APR-2017)」POLAより


そう、「不思議」ってこういうことだったよな。
伝えなくとも、何かわかっちゃう。
本能の糸みたいな感覚。

確かに、現代のツラさを相談したとして、親に解決できる術はほとんど持ち得ない。

ひとつの会社に生涯尽くし、全うしたら辛抱料として退職金がもらえて、老後は質素ながら何とか暮らしていける、と本気で信じ、本当にそれを体感している多くの親世代が、大企業でも副業が奨励されている時代の中にある悩みなど想像できないから。

でも、親は、子供の顔色や体から見て取れる気を察知する、ということを、自然にやってのけたりする。

吉本ばななさんの文章に触れていると、潤いが伝わってくる。体に水が浸透してくるように、気持ちが安らいでいきます。特に飾り立てた表現はないのに、それも不思議。

POLAが作っている冊子WE。
特集(中綴じのサイズが大きいページ)では、喜怒哀楽ついて、能楽師・寺井千景さんとダンサー康本雅子さんが登場し、その思いをカラダとことばで表現されています。写真と短い文章の構成がこれまたステキでした。

その中にあった「不思議」の表現コピーが響きました。

いつもの考えや常識ではとらえきれないこと。そんな不思議なことは、好奇心を呼び覚まして脳を活性化する。不思議とはインスピレーションの源。次のステージへのチケット。過去、現在、未来。日本、世界、地球、宇宙。どこまでも不思議を探しに出かけよう。「無知の知」の先に、確信があるのだから。「WE (MAR-APR-2017)p19」POLA

伝わる表現から拾った共感。
「ことば」は、やっぱり、ステキです。

私にとっての不思議って何だろう?
そんな問いかけが続きそうな今日。
キレイで神秘な冊子を作ってくれたPOLA様に感謝です。

ところで、みなさんにとっての「不思議」って何ですか?