【禅語】施無畏(せむい)仏様が手のひらを前に向けるのは恐れをなだめるポーズ。

zengo

世の中には、三つのお布施があるそうです。

1つ目は、「財施」で、金品を施す布施のこと。
2つ目は、「法施」で、師が弟子に教えを与える布施のこと。
3つ目は、「無畏施(むいせ)」。これは、何かを恐れている人に「恐れなくても良い」と言って安堵を与える布施のこと。

これは、石井ゆかりさんの書いた「禅語」に記してある内容です。
石井ゆかりさんは、占星術家として活躍されているので、知っている人も多いのではないでしょうか。雑誌の星占いや占星術の書籍などをたくさん出版されていますが、どれも、文章が本当にキレイ。その中で「禅語」は群抜きです。(と私は思っています)

「禅語」は、その禅の教えが綴られた文献に記された言葉。禅宗の師と修行僧との問答集がベースとなっているとも言われて、人生のあらゆる局面を乗り切るヒントを拾うことができます。

アップルの創設者スティーブジョブス氏が日々の精神のバランスを整えるために、ZENを生活に取り入れていたことは広く知られるところですが、日常、平穏な境地に戻るためのきっかけというか、門のような役割をしてくれる、救世の存在に近いかもしれません。

石井ゆかりさんの「禅語」は、井上博道氏の写真とともに構成されているのですが、写真と文章が交互に巡る構成が、ものすごい浄化力。ページを捲るたびに、純な酸素が心身を洗われる気分になります。

何度でも読み返したくなり、実際、何度も読み返しています。
その読み返し率が高いページが、「無畏施(むいせ)」。(禅語p167−P168)

hotokesama

仏様の像が手のひらを前に向けるポーズが「無畏施(むいせ)印」といって、人の恐れをなだめうようとしている印、ということは、この禅語のページを読んで初めて知りました。

仏様の前に立つと、心が落ち着いてくるのは、あの手のひらの施しだったのか、と今更な感じですが。
このことを、もっと早く知っていたら、もっと、頻繁にお参りしてたかもなぁ、なんて思ってしまいました。

大概の大人って、そういうこと知っているのかしら。
もう、何歳になっても、知らないことだらけです(^_^;)

恐れる人は孤立していて、孤独。
だから、まずは恐れを溶かなければ、何事も始まらない。
安心すると、いろいろなものが目に入ってくる。
「禅語」PIEブックス

「無畏施(むいせ)」。何かを恐れている人に「恐れなくても良い」と言って安堵を与える布施。

会うと、恐れを忘れさせてくれる人。少ないけれど、いますよね。
そんな施しができる人は仏様。

もう中古でしか売ってないみたいですけど。