日本橋三越、大安の日のお釣りに“家内安全”祈祷の5円玉。小さな配慮が粋だなってお話。

三越は、今や三越伊勢丹だけれども、三越は三越、伊勢丹は伊勢丹。感覚的に融合したのはポイントがつくカードだけのような気がしておりますが、みなさんはいかがでしょうか。

いづれも由緒ある百貨店で、おもてなし力はとてもとても高いので、伊勢丹で、あるいは三越でお買物をすると、何か優雅な気持ちにさせてくれる空間です。普段はそのこと自体を忘れているけれど、化粧品の香りやブランド店のステキなディスプレイの中を歩いていると、日常とはちょっと違う感に浸ったりしている自分に気づきます。

それって「デパートでお買物」が豊かさの象徴だった時代の空気が生き残ってるってこともありますよね。感覚の記憶って記録よりも強烈かもしれませんね。

ところで、昨日、日本橋三越のB1Fで、客先への手土産用に焼き菓子の詰め合わせを購入したんですね。その時、現金でお支払をしたのですが、お釣りを渡される時、家内安全のご祈祷をした五円玉をいただきました。(いただきましたといってもお釣りの一部ですが)

何でも大安の日は、日本橋三越の屋上にある神社で御祈願した五円玉をお渡しするという企画をやっているとのこと。

何だかとてもとても喜ばしい気持ちになりました。

この小さく思える配慮が、ものすごくお客様を満足させる術であることに気付いた次第。ただでさえ、お買物するだけで優雅な気分になる老舗百貨店の粋な企画。やっぱ、プロだな、と感心したのでした。

ところで、日本橋三越には、神社があるのですね。三圍神社(みめぐりじんじゃ)という名前のようです。

元禄六年の旱魃の際俳聖其角は、この社に「夕立や田を三めぐりの神ならば」と一句献じますと、翌日早速雨が降ったといわれております。
爾来何でも願い事の叶う縁起のよい神として、大正三年九月二十一日、当屋上に遷座されて以来広く庶民より崇められております。三越ホームページより

お釣りの一部の五円玉。祈祷というサービスの魔法にかかるとお金に変えられない“思いやり”や“感謝の気持ち”などに早変わり。こんな魔法って、意外にいろいろあるんじゃないかな、と考えさせられる、お買物でした。

ネットショップでばかり買い物をしていて、ポイントを貯めこんだりしているけれど、たまにはリアル店舗もいいな、と。

みなさんは近頃、気分良くお買物をしていますか?